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PlasticGearBlog

2023.12.15

歯車性能を向上させる材質グレードとは?

プラスチックギヤに使用される樹脂は、耐熱性や強度、消音性、寸法精度、使用環境などを総合的に考慮して選定を行います。選択した素材で主な特性は決まってしまいますが、もう少し強度を上げたい、潤滑性を向上させたいといった場合にはそれぞれを強化したグレードの検討も効果的です。今回は、プラスチックギヤの性能を向上させる主な材質グレードの紹介と配合剤の処方における注意点についてご紹介していきます。

1.そもそも材質グレードってなに?

成形材料には、プラスチックギヤでも良く使用されるPOMやナイロンなどの素材に、難燃グレードや強化グレード、電導グレードなど様々な特性を付加した材質グレードが用意されています。

グレードは、元となる素材を変更することなく物性を選択できるため強度や摩耗など特定の特性にすぐれています。そのため、元の素材では物性値が求める数値を満たしていない場合でも、最適なグレードを選択することで物性値を満たすことが可能になるのです。

2.歯車性能を向上させる主な材質グレード

プラスチックギヤには、耐熱・耐候・帯電防止・成形性改良など多様な添加物を加えた樹脂が使用されていますが、その中でも良く使用される4つのグレードについてご説明します。

1)高分子グレード

高分子グレードとは分子量が大きいグレードです。ある分子量以上では分子量が大きくなると分子間結合が大きくなるため、強度を向上させることが可能です。

しかし、分子量が大きくなるにつれて流動性が悪くなり歯車精度にも影響を及ぼします。そのため、高分子グレードを使用する際は適正な分子量の材料を使用することはもちろん、流動性を考慮した金型設計と高度な成形技術が求められるのです。

2)強化グレード

強化グレードは、ガラス繊維やカーボン繊維などを添加して機械的強度を向上させたものです。プラスチックギヤの強度、クリープ、疲労強度、寸法安定性などを向上させる目的で使用されています。

しかし、剛性が高いがゆえに相手歯車の摩耗量が多くなることや、成形性が悪く歯車精度が出にくいなどのデメリットもあります。

3)摺動グレード

摺動グレードは、摩耗摩擦特性を向上させるため潤滑剤を添加したグレードです。摺動グレードに動力伝達性能の向上は見込めませんが、摩耗防止や騒音の低減などの効果が期待できます。そのため、低騒音を重視するOA機器をはじめとした多くの製品で使用されています。

4)耐熱グレード

プラスチックギヤは、回転時の温度上昇による物性の低下や寸法変化が起こり、摩耗量の増加や摩擦音を発生させるため、耐熱性は非常に重要です。そのため、耐熱グレードは雰囲気温度に関わらず耐久性が求められるプラスチックギヤによく使用されています。

3.配合剤処方における注意点について

プラスチックギヤの要求精度・性能と各種グレードの性能比較を行うと、未達の品質項目につい目が行きがちです。

万が一多くの品質項目を満たそうと、様々な添加剤を組み合わせてしまうと、品質の低下に繋がることもあるため注意が必要です。

例えば、樹脂と化学反応する添加剤を使用すると表面性や外観が悪くなることがあります。さらに、添加剤同士で効果を打ち消しあう拮抗作用により、期待する効果を得られない場合もあるのです。実際に部品の材料選択が原因で事故が起こり、リコールになってしまった事例もあり注意が必要です。

材料選択は外部環境を徹底的に分析し、材料グレードのメリット・デメリットを総合的に考慮したうえで、本当に最適な材質グレードを選択するという当たり前のことが本当に大切だと思っています。

5.まとめ

今回は、プラスチックギヤの性能を向上させる材質グレードについてご紹介させて頂きました。特定の特性に優れた強化グレードや摺動グレードがプラスチックギヤでもよく使用されていますが、複数の添加剤を組み合わせることで品質の低下や拮抗作用が起こり、期待する性能を得られないこともあるため注意が必要です。

ギヤプラスでは、世界有数の樹脂メーカーや歯車研究所とのネットワークを活用し、グレード選定や歯車性能比較(歯車騒音・耐久試験など)のご相談にも対応可能です。

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