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PlasticGearBlog

2023.04.08

歯車損傷&騒音低減に効果的! 歯形修整の種類と目的とは?

できることならプラスチック歯車の干渉を事前に防止したい、回転を滑らかにして騒音を低減したいとお考えのお客様も少なくないのではないでしょうか。今回は、歯車の損傷防止・騒音低減に効果的な歯形修整の種類と目的についてご紹介します。

1.歯形修整とは

歯形修整とは正規の歯形形状を意図的に変えることで、歯先修整と歯元修整の総称です。歯先修整は、正規の歯形曲線に対して歯先をマイナスさせることです。歯元修整は、正規の歯形曲線に対して歯元を逃がすことです。

2.修整歯車が求められる理由とは?

歯車箱を製作する時の組み立て誤差は、軸の平行誤差、軸の食い違いを引き起こします。その結果、かみ合わせ時に負荷がかかり、歯のたわみや軸のたわみを発生させ、歯面が当たる面積を少なくします。このような歯のあたりが悪くなることを片当たりといい、かみ合い率を低下させてしまいます。その結果、歯の負荷が集中することで歯の折損やピッチングを引き起こします。このようなかみ合い率の低下や歯車の損傷を事前に防ぐ手段として、修整歯車(歯形)が使用されています。

3.歯形修整を行う目的

歯形修整を行うことで、歯のたわみにより歯先が相手歯車の歯元に食い込む「干渉」を防ぐことができます。また、油膜が切れることを防ぎ、適切な油膜形成をサポートします。さらに、騒音を小さくする効果も期待できます。

4.代表的な3つの歯形修整

1.セミトッピング

セミトッピングとは、セミトッピングを見越した専用の歯切り工具を使用し、歯切りで歯面を仕上げるのと同時に刃先の面取り加工を同時に行う歯形修整です。セミトッピングした歯車のかみ合い率は小さくなりますが、修整量はごく少量なため実用上の問題はないと考えられています。

2.クラウニング

クラウニングとは、歯すじ方向の修整で歯筋の中央部から歯筋端に向かって歯厚を連続的に減少させることを言います。クラウニングを採用すると、面ではなく点で当たるようになるため異音防止にも繋がります。一方で、クラウニングを大きくしすぎると強度不足になる可能性もあるため注意が必要です。

3.レリービング(エンドレリーフ)

レリービング(エンドレリーフ)はクラウニング同様、歯筋方向の修整です。レリービングは、歯の両端のみを逃がすように加工します。金属歯車で多用さる修整方法ですが、歯車キャビティーを底付け加工で製作した場合は、歯先端面にRが付くためレリービングと同じ役目をします。

5.修整歯車をご検討の方は是非ご相談ください

修整歯車は歯車同士の干渉防止や油膜切れの防止に加えて、騒音の低減が期待できます。しかし、過度な修整はかみ合い率の低下や歯車強度の低下を招く恐れがあるため注意が必要です。ギヤプラスでは、クラウニングなど修整歯車の試作から金型製作まで豊富な製作実績があります。修整歯車を検討中のお客様はお気軽にご相談下さい。VE/VA提案などを通じて高品質な歯車づくりをサポート致します。

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