１マイクロメートル単位での寸法公差が求められる「歯車キャビティー」や「切削による歯車製作」では、加工サプライヤーによって品質に差が生じる領域です。高品質なプラスチックギヤを量産体制の中で維持するには、高精度なキャビティー製作が必要不可欠です。本日は、高品質歯車の製作・量産に欠かせない、「高品質・高精度なギヤ加工に必要な3つのポイント」について解説します。

１．歯車の精度と性能の関係性

ギヤは動力と回転を伝達する機械要素であり、より大きな動力をできる限り小さなギヤで、静かに正確に伝達することが求められます。実は、多くの方が悩まれているプラスチックギヤの騒音や耐久性は、歯車精度と密接な関係があります。例えば、精度不良のギヤを使用した場合、歯面の変形・摩耗・寿命の低下や騒音の発生などの問題を引き起こします。一方で、高精度なギヤを使用すると、高速・高トルクでの使用が可能、伝達精度の向上によりOAなどの画質向上、負荷トルクの低減による省エネルギーなどの期待ができるのです。つまり、必要範囲内でのギヤの高精度化は、騒音や耐久性など歯車性能の向上には欠かせない要素と言えます。

２．工作機械の母性原理とは？

放電加工や切削加工などの高精度化については、工作機械の母性原理という特性を知ることが重要です。これは、工作機械の持つ動的精度により、製品の寸法や形状の精度は制限されるということです。つまり、「工作機械の精度以上の製品はできない」ということになります。この特性に従った場合、求める加工精度よりも高い精度で加工できる工作機械が必要になります。

３．高品質・高精度なギヤ加工に必要な3つのポイント

１．高精度加工を安定させる工場の恒温化

加工者が気候をもとに加工条件の微調整を行うように、1℃の変化が高精度加工に及ぼす影響は非常に大きくなります。空調設備の管理を怠ると、室内温度の変化により工作機械の軸が伸び縮みしてしまい、寸法が大きく変わってしまいます。そのため、室内温度の管理が必要不可欠です。ギヤプラスでは、高精度なギヤ加工を行う工場内を常に28℃に設定し、できる限り温度変化がないよう厳重に管理しています。

２．高精度加工機による歯車加工

先ほどご説明した「工作機械の母性原理」に従うと、「加工する部品精度よりも、ひと回り高い精度で加工できる工作機械」が、高精度なギヤキャビティーの製作には欠かせないということが言えます。そのため、加工サプライヤーの選定を行う場合は、工作機械の性能を確認することが最適な加工先選定のポイントになります。

３．プラスチックギヤを熟知した測定・計測による品質保証

高精度加工を行う3つ目のポイントは、プラスチックギヤを熟知した測定・計測による品質保証です。歯車の測定・計測には、全自動歯車測定機や歯車かみ合い試験機などが欠かせません。さらに、歯車は直接寸法測定することが難しい場合もあり、間接的な測定をご提案することもがあります。つまり、プラスチックギヤの構造を熟知した者による品質保証が欠かせないのです。

４．高品質・高精度なギヤ製作はギヤプラスにお任せ下さい！

ギヤプラスを運営してます「株式会社チバダイス」では、プラスチック歯車の設計サポートから試作、金型設計・製作、量産、歯車騒音・耐久試験まで幅広い対応実績がございます。 更に、寸法精度±0.001㎜が求められるキャビティー（入れ子）の製作実績なども豊富にあり、高精度な歯車金型部品への対応が可能です。

また、過剰な寸法公差などの防止や最適なギヤ形状の選択も行って頂けるよう、あらゆる角度からVE/VA提案も行っております。「依頼先の選定で悩んでいる」など、高品質・高精度なプラスチックギヤの製作でお困りの方は、お気軽にギヤプラスにご相談下さい。