プラスチック歯車の様々な情報やお役立ちコンテンツを発信!
PlasticGearBlog

2023.06.27

【自動車業界も注目!】高強度を実現したウォームギヤとは?

自動車業界ではCO2の排出量を低減するためEVやPHVなどの開発が進んでいますが、車載部品の軽量化や高強度化が課題となっているそうです。歯車業界でも、金属歯車の樹脂化による軽量化・コストダウンを検討するお客様が多い一方で、耐久性を懸念されるお客様もいらっしゃいます。今回は大きな減速が期待できるウォームギヤの高強度化についてご紹介します。

1.ウォームギヤとは?

1条または数条のネジ状の歯車をウォームといい、このウォームとかみ合う歯車をウォームホイールといいます。この2つをかみ合わせた状態をウォームギヤと呼び、ウォームホイールの形状には円筒形と鼓形があります。

ウォームギヤは量産が可能なことに加え小形で軽量、そして一段で大きな減速を得られるため、自動車のパワーシートやパワーウインド及びOA機器などに多く使用されています。その多くには、はすば形のウォームホイールが使用されておりますが、鼓形ウォームホイールへの置き換えで更なる強度向上が期待できるのです。

2.高強度を実現した鼓形ウォームホイールとは?

高強度を実現するウォームホイールは鼓形ウォームホイールです。鼓形ウォームホイールでは、歯幅方向端部に向かって歯の肉厚が厚くなり、歯の曲げ強度、引抜き強度および摩耗的に非常に有利です。はすば歯車をウォームホイールの代用として使用する場合、ウォームとの接触が点接触となり耐摩耗性で不利となりますが、鼓形ウォームホイールは面接触になるため耐久性が向上します。

3.鼓形ウォームホイールの金型製作・量産も!

鼓形ウォームホイールは、一般的に射出成形による量産が難しいイメージが先行してしまい、切削による生産やはすば歯車をウォームホイールとして代用する場合が少なくありません。なぜかというと、鼓形ウォームホイールは中央部が円弧状に大きく窪み低くなっているため、キャビティーからの抜き出しが非常に難しく、鼓形ウォームホイールの量産ができる歯車メーカーが非常に少ないからです。そんな鼓形ウォームホイールの金型製作・量産もギヤプラスでは内製化しているため、ウォームホイールの高強度化に関するご相談も多く頂いております。

4.金属製「転造ウォーム」も内製化

ギヤプラスではウォームホイールと共に使用されるウォームの製作も行っており、樹脂はもちろんのこと金属製ウォームの製作も可能です。金属製のウォームは強度・仕上げ面・コストで切削より優れる転造加工で行い、月産1000~40万個まで量産することが可能です。そのため、ウォームホイールとウォームのセットでの提案・生産が可能なため、トータルコストの削減や最適な設計提案も行わせて頂いております。ウォームギヤでお困りの際は、お気軽にご相談下さい。

5.鼓形ウォームホイールの製品事例をご紹介!

歯車強度1.5倍の実績!鼓形ウォームホイール

POMを使用した鼓形ウォームホイールで、主に自動車のパワーシートや介護用ベッドのリクライニングに使用されています。ウォームとかみ合わせた場合、はすば歯車では接触面が線接触になりますが、鼓形ウォームホイールでは面接触となるため耐久性が1.5倍向上することができました。しかし、歯車製作には特殊な工具と専用の工作機械が必要なことに加えて、成形時の離型方法などで特別なノウハウが要求されました。

6.まとめ

鼓形ウォームホイールは、歯幅方向端部に向かって歯の肉厚が厚くなり、歯の曲げ強度、引抜き強度および摩耗的にも非常に有利です。ギヤプラスでは、一般的に難しいとされる鼓形ウォームホイールの金型製作や量産も可能です。鼓形を含むウォームホイールやウォーム(転造ウォームも対応可)の試作・金型・量産・耐久試験でお困り際はご相談下さい。お客様のご要望に合わせて最適なご提案をさせて頂きます。

歯車開発・生産を加速するサービス

  • 射出成形試作サービス
  • 切削試作サービス
  • 金型製作サービス
  • 歯車試験・測定サービス
  • 歯車量産サービス
  • オーダーメイド課題支援サービス

歯車一筋だからこそ、
できることがある。

ストーリーをみる