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PlasticGearBlog

2024.06.12

【研究開発】耐久性が約15倍向上!   「ユージックギヤ」とは?

樹脂歯車の耐久性向上には、「歯車寿命の延長」「メンテナンス回数の削減」「廃棄物発生の抑制」など、多くのメリットがあります。今回は、歯車の耐久性を向上させる3つのポイントと、無潤滑の約15倍もの耐久性を実現した歯車についてご紹介します。

1.歯車の耐久性を向上させる3つのポイント

樹脂歯車の耐久性を向上させるポイントは、 「最適な材料選択」「潤滑剤・潤滑方法の検討」「歯車設計の見直し」です。

1.機械的強度の高い材料を選択

歯車の耐久性は、機械的強度が高い材質を選択することで向上させることが可能です。しかし、その分コストも上昇するため、必要な耐久性を考慮した材料選択が重要です。そのため、まず費用対効果の高い潤滑剤や潤滑方法の検討、そして歯車設計の見直しを実施することをお勧めします。

2.潤滑剤、潤滑方法の検討

樹脂歯車の潤滑方法としては、油浴潤滑、油強制潤滑、初期のみに潤滑油やグリースを塗布する方法などが考えられます。油浴潤滑や油強制潤滑は、潤滑装置を設置し、定期的に保守を行う必要があります。潤滑装置の設置が難しい場合は、グリース潤滑が最適です。各種材料の特性に合わせたグリースの選択が求められます。

3.歯車設計の見直し

歯車設計では、大きなコストをかけずに耐久性を向上させることが可能です。例えば、平歯車をはすば歯車に変えることや、モジュールや歯幅を変更することで耐久性を向上させることができます。ただし、歯幅の変更は歯面温度の上昇による強度低下につながることもあるため、十分に注意する必要があります。

2.耐久性を向上させる歯車「ユージックギヤ」とは?

ユージックギヤは、歯先側方向あるいは歯元側方向の歯すじ方向に油溝を単数または複数設けた歯車です。プラスチックは軟性であるため、歯面の温度がわずかでも上昇すると、歯面圧力により接触変形を起こします。その特性を利用して、通常の歯面の潤滑油が枯渇してきたときに、自動で歯面に潤滑油を補給することができます。その結果、耐久性を大幅に向上させることができるのです。

3.【実験紹介】ユージックギヤの耐久性実験

今回、ユージックギヤの耐久性を確認するため、「無潤滑」「通常歯車+グリース」「ユージックギヤ+グリース」の3パターンで耐久試験を実施しました。

<歯車仕様>

  • ・モジュール:0.5
  • ・歯数:30枚同士
  • ・歯幅:5mm
  • ・ピッチ円周速度:1m/s
  • ・歯面荷重:40N/m
  • ・グリース:約0.2mlを実験前に塗布し、以後の補給は行わない

実験の結果、「ユージックギヤ+グリース」は「無潤滑」の約15倍、「通常歯車+グリース」の1.2倍の耐久性を持つことが確認されました。今後、耐久性を向上させる選択肢として、「ユージックギヤ」が有力な候補となるのではないでしょうか

4.まとめ

プラスチック歯車の耐久性を向上させるポイントとして、「歯車設計の見直し」「潤滑剤・潤滑方法の検討」「機械的強度の高い材料の選択」をご紹介させていただきました。今回新たに、油溜り構造を持つ歯車「ユージックギヤ」による耐久性の向上を実現し、新たな選択肢としてご提案させていただけるようになりました。「ユージックギヤ」の詳細については、お気軽にお問い合わせください。

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